2014年9月6日土曜日

国連報告書(クマラスワミ報告) : 慰安婦報告書の修正不要 吉田証言以外にも「証拠」 元国連調査人、強制性主張 / クマラスワミ氏の発言のポイント (47トピックス)

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慰安婦報告書の修正不要 吉田証言以外にも「証拠」 元国連調査人、強制性主張

 【コロンボ共同】旧日本軍の従軍慰安婦を「性奴隷」と位置付け、日本政府に謝罪や賠償を勧告した1996年の国連報告書(クマラスワミ報告)を作成したスリランカの女性法律家、クマラスワミ元特別報告者が4日までにコロンボで共同通信と会見し、報告書の内容に「修正は必要ない」との考えを示した。

 朝日新聞は8月、女性を慰安婦にするため、 済州島 (チェジュド) (現・韓国)で強制連行したとする元山口県労務報国会下関支部動員部長の 吉田清治 (よしだ・せいじ) 氏(故人)の証言を虚偽だったと判断し、報道の一部を取り消した。

 報告書は吉田氏の著書を引用しているが、クマラスワミ氏は吉田証言について「証拠の一つにすぎない」と主張。独自に行った元慰安婦への聞き取り調査などに基づき「日本軍が雇った民間業者が(元慰安婦らを)誘拐した」事例があったとし「募集は多くの場合、強制的に行われた」と持論を展開した。

 朝日新聞の報道取り消し後、クマラスワミ氏が日本メディアと会見したのは初めて。

 クマラスワミ報告については、吉田証言など信頼できない情報にも立脚しているとの批判があるが、クマラスワミ氏は調査に基づき「慰安婦たちには逃げる自由がなかった」と強調。慰安婦を「性奴隷」と定義したのは妥当だったと述べた。

 慰安婦問題への日本政府の対応について「日本の人権政策は非常に進歩的だが、(慰安婦問題に関して)年老いた被害者のために、なぜ正義が実現できないのか理解できない」と語った。

 元慰安婦への償い事業のための「アジア女性基金」が設立された95年当時よりも、日本の対応が後退していると指摘。慰安婦問題を「日韓関係悪化の根源にすべきではない」と述べ、両政府間での早期解決を促した。

 クマラスワミ氏は人権問題や女性の権利擁護の専門家。94~2003年、国連人権委員会(後に人権理事会に改組)の「女性に対する暴力」の特別報告者。06~12年に子供と武力紛争担当の国連事務総長特別代表を務めた。

 (共同通信)
2014/09/05 19:00

クマラスワミ氏の発言のポイント

 クマラスワミ氏の発言のポイントは次の通り。

 一、私の報告書だけでなく、別の国連報告書も、 吉田清治 (よしだ・せいじ) 氏の話のほか多くの元従軍慰安婦への聞き取りを基にしている。

 一、吉田証言は(報告書の)証拠の一つにすぎず、報告書の修正が必要だとは思わない。

 一、元慰安婦らの証言によると、軍が雇った民間業者が(元慰安婦らを)誘拐した事例があった。

 一、(慰安婦の)募集は多くの場合、強制的に行われた。

 一、報告書では「戦時の性奴隷」という表現を使っているが、変える必要はない。

 一、慰安婦たちには逃げる自由がなかった。

 一、日本の人権政策は非常に進歩的だが、(慰安婦問題に関しては)なぜ年老いた被害者に正義が実現できないのか理解できない。

 一、日本は1995年、元慰安婦に償い金を支給した「アジア女性基金」を設立した。(当時は)慰安婦問題への否定的見解は少なかった。今の日本は95年以前に戻ってしまっているようだ。

 一、慰安婦問題に関して日本は寛大になるべきだ。

 一、慰安婦問題を日韓関係悪化の根源にすべきではない。

 一、朝日新聞の報道の経緯を国会で検証すべきかどうかは、日本の国会が決めることだ。 
(コロンボ共同)
 (共同通信)
2014/09/05 19:03


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